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昔、建築学科の教授に

 

『 四角い建物だけしか    

     設計できないようになるなよ!』

 

なんて言われたことがあります

 

学生時代は

色々な形の建物をデザインしました

それこそ

函館アリーナのような

曲線を多用したものから

意匠だけ優先して

構造を無視したものまで…

 

だって

実際に建てないから

どんなのでも

よかったからです

自己満足の世界です

 

社会人になって20年

実際に建てる仕事に就いて

四角い建物しか設計しておりません…

たま~に三角やりますが…

 

ただいま建築中の

Sデザインのお客様

アールを多用したお家がご希望です

打合せ中に

教授の言葉を思い出してしまいました(笑)

 

図面では

ただ丸い線を書けば良いだけですが

どうやって作ろうかと悩みました

 

外壁がちょこっと丸くなるだけなら

そこまで考えることも無いのですが

中も外もアールだらけ

 

外観もアール

階段もアール

吹抜けもアール

リビングもアール

ついでに

間接照明もアール

 

うむ 困った

 

コンクリート造や

鉄骨造ならば

簡単なことも

木造でやろうとすると

簡単ではない

 

知恵を絞り出して

先月 着工しました

 

鉄筋もアール

型枠もアール

木造の構造体もアール

ではなく

直線をつなぎ合わせます

 

プレカット工場では対応できなかったので

大工さんが切り込みしました

これを繋いでいくと

遠目ではアールにみえます

構造体で

一番心配したのが

耐震性です

 

ここでR壁の強度を高めるために

通常は床にしか貼らない

根太レス合板を

上部にも貼って

根太レスサンドイッチ状態に!

これにより水平強度を確保しました

これのすぐ上に屋根をつくります

ちなみに穴は換気用です

 

さらに耐震性のUPをはかるべく

弊社お薦めの

制震ダンパーを取り付けます

 

しっかり構造計算した上で位置出しした

大きいのが4ヶ所

小さいのが6ヶ所

この制振ダンパー

名前は『エヴォルツ』

 

なにが良くて

弊社がおすすめしているのかというと

小さな揺れでも

大きな揺れでも

瞬時に感知して効き始めます

特許取得済みで

オンリーワンの性能です

 

この瞬時に感知する事が特に大事で

建物が揺れ始めて損傷する前に

効果を発揮します

 

一般的な制震装置は

程度の差こそありますが

揺れが大きくなってから

それを感知して

そこから効果を発揮します

 

この差はものすごく大きいと思います

詳しくはこちらです

 

このお家で

エヴォルツを採用したのは

もう一つ理由があります

外壁の仕上げが塗り壁なので

長期的に考えると

ひび割れが懸念されます

とくにアールの部分です

 

これの対策に

エヴォルツの性能がピッタリだったので

お客様に確認を取る前に予算に組み込みました

外観の美しさは

できるだけ長期間保ちたいですからね~

 

昨日 サッシの取付が完了し

本日 外壁通気層の下地を施工中です

朝から

大工さんが

せっせと作ってくれた

アールの通気層下地

これを貼り付けていきます

来週から

塗り壁下地のサイディングを貼っていきます

楽しみですね~

 

次は内部の施工図を書かねば…

と地味~に追い詰められている三箇でした